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- 新規公開(2026年8月15日時点の各事務局・官公庁の公表情報に基づく)
2026年9月は、国の大型補助金の締切が少ない一方で、見落とすと取り返しがつかない締切が1つあります。業務改善助成金です。今年から申請期限が「地域別最低賃金の発効日の前日」に変わり、10月1日発効の都道府県では実質9月30日が締切になります。しかも受付開始は9月1日。準備期間は正味1か月しかありません。あわせて小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>第3回(9/30・最大5,000万円)、東京都の製品改良/規格適合・認証取得支援事業(9/30・最大500万円)を締切日順に整理しました。前回分は7月締切の補助金まとめにあります。
| 補助金・助成金 | 締切 | 上限 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 業務改善助成金(厚生労働省) | 最低賃金の発効日の前日 (10/1発効なら9/30) | 最大600万円 | 3/4〜9/10 |
| 小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>第3回 | 9/30(水) 17:00 | 最大5,000万円 | 2/3 |
| 東京都 製品改良/規格適合・認証取得支援事業 | 9/30(水) 17:00 | 500万円 | 1/2以内 |
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回・最大9,000万円)は、当初9月30日締切と公表されていましたが、2026年7月17日にスケジュールが1か月後ろ倒しされ、締切は10月30日18時になりました。まだ「9/30締切」と書いたままの解説記事が多いので、逆に慌てて出す必要はありません。詳しくは後半で説明します。
9月締切の補助金 詳細
業務改善助成金(厚生労働省)
最低賃金の発効日の前日事業場内の最低賃金を引き上げ、あわせて生産性向上のための設備投資(機械装置・システム導入・コンサルティング等)を行った中小企業・小規模事業者に、その費用の一部を助成する制度です。従業員を1人でも雇っていれば対象になり得るため、個人事業主にも縁があります。
今年いちばんの落とし穴:締切が都道府県ごとに違う
令和8年度の申請期限は、①事業場がある都道府県の地域別最低賃金の発効日の前日か、②2026年11月30日の、どちらか早い日です。2026年度の地域別最低賃金は全国加重平均で1,176円(前年比+55円)の目安が示され、各都道府県の答申を経て10月以降に順次発効します。10月1日発効の都道府県なら、申請期限は9月30日ということです。
発効日は都道府県ごとに違い、引き上げ額が大きい年は発効が後ろにずれる県もあります。自分の県の発効日を先に調べてから逆算してください。発効日が10月1日なら準備期間は9月の1か月間だけです。2026年度の引き上げ幅と各県の状況は最低賃金引き上げと106万円の壁で解説しています。
もう1つの変更:賃上げは「交付決定の後」
令和8年度は、賃金引き上げを交付申請より後に実施する必要があります。「すでに賃上げを済ませたので、さかのぼって申請する」というやり方は認められません。順番は①交付申請 → ②交付決定 → ③賃上げと設備投資 → ④実績報告です。ここを取り違えると、申請そのものが通りません。
事業場内最低賃金が1,050円未満の事業場は「特例事業者」として助成上限が広がります。原材料費の高騰などで利益率が3ポイント以上低下した事業者も同様です。最低賃金の引き上げでどのみち時給を上げる必要があるなら、その賃上げを設備投資とセットにして申請するのが最も効率的な使い方になります。
小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>(第3回)
9/30(水) 17:00個々の小規模事業者ではなく、商工会議所・商工会・観光協会・まちづくり会社などの「地域振興等機関」が申請主体となり、複数の小規模事業者をまとめて支援する取り組みに出る補助金です。おなじみの持続化補助金(一般型)とは別枠なので混同に注意してください。
対象になるのは、展示会・商談会の開催、催事販売、マーケティング拠点の設置など、参画する小規模事業者の販路開拓につながる取り組みです。小規模事業者を10者以上集めることが要件になっています。補助率は3分の2で、事務局経費は定額補助です。
この枠は自分では申請できませんが、地元の商工会議所・商工会がこれに応募していれば、参画事業者として販路開拓の機会を無料または低負担で使えます。9月末までに地元の商工団体へ「共同・協業型に出す予定はありますか」と聞いてみる価値があります。
東京都 製品改良/規格適合・認証取得支援事業
9/30(水) 17:00都内の中小企業が、市場ニーズに合わせて自社製品を改良する、または規格適合・認証を取得するための経費を助成します。受付期間が9月7日から9月30日までのわずか3週間と短いのが特徴です。
申請は電子申請システム「Jグランツ」のみで、GビズIDプライムアカウントが必須です。取得には2週間程度かかることがあるため、9月7日の受付開始を待たず今すぐ申請しておくのが安全です。あわせて、技術力や付加価値を価格に反映するための「プライシング戦略サポーター」による支援も受けられます。
9月に「動き出す」もの(締切は10月以降)
9月は締切より、受付が始まるもののほうが多い月です。締切だけ追っていると、準備の起点を逃します。
「9月締切」と誤解されやすい補助金
ここが今月いちばん大事なところです。締切が動いた、あるいはもう終わった補助金を、9月締切だと思って慌てて出すと、雑な事業計画で不採択になるだけです。
| 補助金 | 実際の締切 | 誤解されている理由 |
|---|---|---|
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回) | 10/30(金) 18:00 | 公募開始時は9月30日締切だったが、2026年7月17日にスケジュールが1か月後ろ倒しされた。変更前の日付を載せたままの解説が多い |
| デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金) | 4次=8/25で終了 | 全枠まとめて8月25日17時で締切済み。5次以降は「随時更新予定」で日程が未定のため、9月の締切はない |
| 小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>第20回 | 12/15(火) 17:00 | 受付開始が11月5日。もっとも有名な補助金なので「毎月やっている」と誤解されやすい |
| 中小企業省力化投資補助金(一般型・第8回) | 10月中旬予定 | 9月中旬に申請受付が始まるため、受付開始日と締切日が混同されやすい |
補助金の締切は年度途中でも普通に変わります。解説サイトではなく、必ず各事務局の公式サイトの「公募スケジュール」ページで確認してください。過去にどんな企業が採択されたかは補助金採択データベースで検索できます。制度そのものの仕組みは補助金・助成金ガイドにまとめています。
申請前に必ず押さえる|GビズIDと税務処理
GビズIDプライムは「今すぐ」申請する
持続化補助金も東京都の助成金も、電子申請システム「Jグランツ」を使います。ログインにはGビズIDプライムが必要で、取得には2週間程度かかることがあります。締切直前に気づいても間に合いません。申請予定があるなら、事業計画より先にアカウントを取ってください。
補助金は課税対象です
見落とされがちですが、受け取った補助金には税金がかかります。法人なら益金、個人事業主なら事業所得の総収入金額に算入されます。「500万円もらえた」=「500万円手元に残る」ではありません。
補助金250万円は、受け取った年度の収益(益金)になります。一方、設備500万円は減価償却で数年に分けて費用化されるため、初年度は「収益250万円 − 償却費の一部」で利益が膨らみ、税負担が増えることがあります。
→ そこで使うのが「圧縮記帳」です
圧縮記帳は、補助金で取得した資産の帳簿価額を補助金相当額まで減額し、その分を損金にすることで、補助金を受け取った年度の課税を将来へ繰り延べる制度です。税金が消えるわけではなく、あくまで先送りである点は理解しておいてください。適用には申告時の明細書の添付など要件があるため、金額が大きい場合は税理士に相談するのが確実です。
業務改善助成金のような厚生労働省系の助成金も課税対象です。ただし圧縮記帳が使えるのは、原則として固定資産の取得に充てられた国庫補助金等です。コンサルティング費用など経費に充てた分は対象外になるため、何に使ったかで扱いが変わります。
今日やること
- 厚生労働省または都道府県労働局のサイトで、自分の県の最低賃金の発効日を確認する(業務改善助成金の締切がこれで決まる)
- GビズIDプライムを持っていなければ、今すぐ申請する(発行まで2週間程度かかる)
- 地元の商工会議所・商工会に「共同・協業型に応募する予定はあるか」を電話で確認する
よくある質問
業務改善助成金の締切は結局いつですか。
事業場がある都道府県の地域別最低賃金の発効日の前日か、2026年11月30日の、どちらか早い日です。2026年度の最低賃金は10月以降に順次発効するため、10月1日発効の県では実質9月30日が締切になります。発効日は県ごとに違うので、必ず自分の県の発効日を確認してください。
先に賃上げをしてしまいました。業務改善助成金は申請できますか。
令和8年度は、賃金引き上げを交付申請より後に実施することが必要です。すでに賃上げを済ませた分についてさかのぼって申請することはできません。次の引き上げのタイミングで、交付申請→交付決定→賃上げの順に進めてください。
個人事業主でも9月締切の補助金に申請できますか。
業務改善助成金は、従業員を雇用していて事業場内最低賃金を引き上げるなら個人事業主も対象になり得ます。小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>は商工会議所などの地域振興等機関が申請主体なので個人では申請できませんが、参画事業者として販路開拓の機会を利用できる場合があります。東京都の製品改良支援は都内の中小企業者等が対象です。
新事業進出・ものづくり補助金は9月30日締切ではないのですか。
第1回公募は当初9月30日締切で公表されましたが、2026年7月17日にスケジュールが変更され、応募締切は10月30日18時になりました。変更前の日付を掲載したままの解説記事が残っているため、必ず事務局公式サイトの公募スケジュールで確認してください。
補助金を受け取ったら確定申告でどう扱いますか。
法人は益金、個人事業主は事業所得の総収入金額に算入します。固定資産の取得に充てた国庫補助金等であれば圧縮記帳により課税を将来に繰り延べられますが、税金がなくなるわけではありません。適用要件があるため、金額が大きい場合は税務署または税理士にご相談ください。
参考リンク(出典)
本記事は2026年8月15日時点で各事務局・官公庁が公表している情報に基づいています。補助金の締切・要件は年度途中でも変更されます。申請前に必ず各公式サイトの最新の公募要領をご確認ください。また、税務の取り扱いは一般的な情報提供であり、個別の判断は所轄の税務署または税理士にご相談ください。



