埼玉県で太陽光パネル・蓄電池・V2Hを入れるとき、補助金はどこから・いくらもらえるのか。2026年度(令和8年度)の結論は、県の補助は太陽光+蓄電池で最大45万円。ただし「同じ設備について国の補助金とは併用できない」という、他都県にはない強い制限が付いています。さらにV2Hは県の補助対象外で、さいたま市10万円・熊谷市5万円といった市町村と国の補助で組む形です。この記事では県・市町村・国の3層の使い分けと、埼玉特有の「国か県か」の選び方、受け取った補助金の税金までを一次情報で整理します。
埼玉の家庭向け補助は「3層+1つの落とし穴」
太陽光+蓄電池で最大45万円
太陽光7万円/kW(上限35万円)+蓄電池10万円/件。太陽光は蓄電池の同時設置が必須。V2Hは対象外。
V2Hはここで拾う
さいたま市はV2H10万円、熊谷市はV2H上限5万円。太陽光・蓄電池は川口市が上限16万円など、市によって有無が大きく違う。
V2Hは最大130万円
充電インフラ補助金のV2H枠は個人宅で機器上限75万円+工事費上限55万円。家庭用蓄電池のDR補助は2026年5月に受付終了済み。
埼玉県の要件には「補助対象設備を同じにする国の補助事業及び国庫支出金を財源とする市町村の補助事業等との併用ではないこと」と明記されています。東京都のように「県+国を重ねて上積み」という発想が使えません。同じ設備については、県を取るか国を取るかの二者択一になります。さらに、国庫支出金を財源とする市町村補助も併用不可の対象です。
【県】家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金
埼玉県の家庭向けの本体は「家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」です。令和8年度の補助額は次のとおりです。
| 対象設備 | 補助額 | 上限 |
|---|---|---|
| 太陽光発電設備 | 7万円/kW | 35万円(=5kW分) |
| 蓄電池 | 10万円/件 | 定額 |
| エネファーム(家庭用燃料電池) | 5万円/件 | 定額 |
| 太陽熱利用システム(強制循環型) | 補助対象経費の2/3 | 20万円 |
| V2H充放電設備 | 対象外(市町村・国で対応) | |
太陽光 5kW × 7万円/kW = 35万円(上限ちょうど)
蓄電池 10万円
= 県の補助は合計45万円
見落とすと申請できない5つの要件
- 太陽光は蓄電池の同時設置が必須。太陽光だけの申請はできません(令和8年度からの要件)
- 県内の「既存住宅」で、自ら居住していること。新築は対象外です
- 「埼玉県省エネ・再エネ活用設備あんしん事業者」の認定を受けた事業者との契約であること。認定外の業者に発注すると、金額や機種が条件を満たしていても補助は受けられません
- 契約日が2026年4月1日以降で、交付決定後に着工すること。決定前に工事を始めると対象外です
- 太陽光はFITの認定を受けず、発電量の30%以上を自家消費すること(系統連系も必要)
申請期間は2026年5月18日〜2027年1月29日で、先着順です。補助件数は対象設備の合計で3,100件程度と公表されており、期間内でも枠に達すれば終了します。工事契約より前に、まず受付状況を県または環境ネットワーク埼玉に確認してください。
最重要:県を取るか、国を取るか
埼玉で迷うのはここです。判断材料を整理します。
県を取るほうが有利になりやすい
家庭用蓄電池の国補助(令和7年度補正のDR家庭用蓄電池事業・上限60万円)は2026年5月29日に予算到達で受付終了しており、SIIは公募再開を行わないと明記しています。つまり2026年度は、太陽光・蓄電池について国の直接補助という選択肢が実質的にありません。この2つは県の45万円を取りにいくのが素直です。
国(または国庫財源の市補助)を選ぶ場面
新築でZEH系の国補助を使う場合や、住宅省エネ2026キャンペーンの各事業で同じ設備が補助対象に含まれる場合は、県との併用ができません。国側の補助額のほうが大きいなら国を選ぶことになります。県は既存住宅限定なので、新築は最初から県の対象外です。
埼玉県は、秩父市・所沢市・春日部市・入間市・新座市・久喜市・白岡市が実施する太陽光発電設備等の補助金には国庫支出金を財源とするものがあると注意喚起しています。これらの市にお住まいの方が市の補助を受けると、同じ設備について県の補助を受けられなくなることがあります。市の補助と県の補助のどちらが大きいかを、申請前に必ず両方の窓口で確認してください。
V2Hは「県ゼロ・市町村と国で組む」
埼玉県の家庭向け補助にV2Hはありません。かつてV2Hを含んでいた県の「電気自動車等導入費補助金事業」も、令和8年度は実施予定なしと公表されています。V2Hは次の2つで組みます。
| 出どころ | 補助額 | ポイント |
|---|---|---|
| 国:充電インフラ補助金(V2H枠) | 機器上限75万円+工事費上限55万円 | 個人宅で最大130万円規模。交付申請の受付は2026年7〜9月の予定。災害時に活用要請があれば協力すること、設置情報を国・自治体へ提供することへの同意が交付条件 |
| さいたま市:電気自動車等普及促進対策補助金 | V2H充放電機器 10万円 | 市内の自ら居住する住宅・事業所への導入。完了日が2026年4月1日〜2027年3月19日。中古は対象外。申請は2026年6月1日〜2027年3月19日の先着順(総予算2,110万円) |
| 熊谷市:電気自動車充給電設備(V2H)設置費補助金 | 補助対象経費の5%・上限5万円 | 地域電子マネー「クマPAY」で交付。設置が2026年4月1日〜2027年3月31日。6年以上使用すること、市税等の滞納がないこと。1世帯1回限り |
V2Hそのものの選び方・国の補助の全体像はEV充電器とV2Hの補助金で解説しています。EV本体の補助(埼玉は県なし・国のCEVが主役)は埼玉県のEV補助金2026へ。
【市町村】太陽光・蓄電池の上乗せは市によって大差
埼玉は市町村の制度差が非常に大きい県です。県内最大のさいたま市に市民向けの太陽光・蓄電池補助が無い一方、川口市は上限16万円と手厚い、といった逆転が起きています。
| 市 | 太陽光・蓄電池 | V2H・EV |
|---|---|---|
| さいたま市 | 市民向けの補助なし(共同購入事業「みんなのおうちに太陽光」で価格を下げる方式) | V2H 10万円/EV普通車5万円・軽3万円・FCV50万円 |
| 川口市 | 太陽光・蓄電池とも設置費×1/2。市内業者なら各16万円、市外業者なら各8万円が上限 | EV上限5万円(PHVは対象外)。V2Hは対象設備に含まれない |
| 熊谷市 | — | V2H 補助対象経費の5%・上限5万円(クマPAY交付) |
川口市の地球温暖化対策活動支援金は、市内業者を活用すると支援額が増額されます(EV・FCVを除く)。太陽光・蓄電池で上限8万円と16万円では差が大きいので、相見積もりの段階で市内業者を1社入れておく価値があります。申請は2026年5月11日〜2027年3月15日の先着順。当初予算6,118万円に対し、2026年7月31日時点の残額は4,593万円(75.1%)と公表されています。
これ以外の市町村にも独自制度があります。「お住まいの市町村名+太陽光 補助金」で公式サイトを確認し、その補助の財源が国庫支出金かどうか(県との併用可否に直結します)を窓口で聞いてください。
モデルケース:さいたま市の既存戸建てで一式導入
太陽光5kW・蓄電池・V2Hをまとめて入れ、EVも持っている想定です。
V2Hは県の対象設備ではないため、V2Hについて国の補助を使っても、太陽光・蓄電池に対する県の補助とは競合しません。「設備ごとに国か県かを分ける」のが、埼玉で取りこぼさないコツです。
受け取った補助金に税金はかかる?
個人が自宅用に受け取る補助金は一時所得に区分されます。一時所得には年50万円の特別控除があり、その年に受け取った一時所得の合計が50万円を超えると、超えた部分の1/2が他の所得と合算して課税されます。県45万円だけなら控除内に収まりますが、市の補助や国のV2H補助を同じ年に重ねると50万円を超えるのが普通です。
国や自治体の補助金で固定資産(太陽光・蓄電池・V2Hなどの設備)を取得した場合、確定申告のときに「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付すれば、設備の取得に充てた補助金は総収入金額に算入されません。事業者だけでなく自宅用の個人も使えます。50万円を超える年は、この明細書の添付を忘れないことが最大の対策です。
- 受け取る年を分散する(太陽光・蓄電池は今年、V2Hは翌年)ことでも各年の50万円枠に収めやすくなります
- 個人事業主が事業用に導入した場合は事業所得の雑収入、法人は益金に算入。圧縮記帳等で繰り延べを検討します
- 自宅の屋根に載せる10kW未満の住宅用太陽光は、原則として固定資産税(償却資産)の対象外です(固定資産税の計算)
- 余剰電力の売電収入は雑所得。給与所得者で他の副収入と合わせ年20万円以下なら申告不要のケースもあります(補助金の一時所得とは別計算)
今日やること
今日やること
- 県の受付状況を確認する(2026年5月18日開始・3,100件程度の先着。残枠があるうちに動く)
- 「埼玉県省エネ・再エネ活用設備あんしん事業者」の一覧から見積もり先を選ぶ。認定外業者と契約すると県の補助は受けられない
- お住まいの市町村の補助を調べ、その財源が国庫支出金かどうかを窓口に確認する(県と併用できるかがここで決まる)
- V2Hを入れるなら、国の充電インフラ補助金の受付状況(2026年7〜9月予定)と市の補助を並行して押さえる
よくある質問
Q. 埼玉県の太陽光・蓄電池の補助金はいくらですか?
A. 令和8年度は太陽光が7万円/kW(上限35万円)、蓄電池が10万円/件です。太陽光の補助を受けるには蓄電池の同時設置が必須で、太陽光5kW+蓄電池なら合計45万円が目安になります。エネファームは5万円、太陽熱利用システムは対象経費の2/3(上限20万円)です。
Q. 県の補助金と国の補助金は併用できますか?
A. できません。埼玉県は「補助対象設備を同じにする国の補助事業及び国庫支出金を財源とする市町村の補助事業等との併用ではないこと」を要件にしています。同じ設備については県か国かの二者択一です。ただし設備が違えば(例:太陽光と蓄電池は県、V2Hは国)競合しません。
Q. 埼玉県にV2Hの補助金はありますか?
A. 県の家庭向け補助にV2Hは含まれておらず、V2Hを含んでいた県の電気自動車等導入費補助金事業も令和8年度は実施予定がありません。V2Hはさいたま市10万円、熊谷市が対象経費の5%・上限5万円(クマPAYで交付)といった市町村の制度と、国の充電インフラ補助金(個人宅で機器上限75万円+工事費上限55万円)で組むことになります。
Q. 新築でも県の補助は使えますか?
A. 使えません。県内の自ら居住する「既存住宅」への設置が要件です。新築で入れる場合は、住宅省エネ2026キャンペーンなど国の事業やZEH系の補助を検討することになります。
Q. 補助金に税金はかかりますか?
A. 個人が自宅用に受け取る補助金は一時所得で、年50万円の特別控除があります。ただし確定申告で「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付すれば、設備の取得に充てた補助金は総収入金額に算入されません(所得税法42条)。合計が50万円を超える年はこの特例の利用を検討してください。
参考リンク(出典)
本記事は次の公的機関の公表資料をもとに作成しています。補助単価・上限・受付状況は年度や予算の消化状況で変わります。申請前に必ず公式サイト・要綱をご確認ください。
※本記事は情報提供を目的としており、税務・申請のアドバイスではありません。補助金の金額・要件・受付状況は2026年8月時点の情報です。予算の消化状況により早期終了することがあります。個別の判断は各補助金の窓口・税務署または税理士にご確認ください。



