宿泊税の全国一覧2026|東京は3%定率へ・出張や通院でもかかる理由

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カテゴリ:制度・ニュース

2026年、日本の宿泊にかかるお金の前提が静かに変わりました。4月1日に北海道と道内13市町村が一斉に課税を開始し、3月には京都市が最高税率を1泊1万円へ引き上げ、6月30日には東京都が「宿泊料金の3%」という定率制への移行について総務大臣の同意を得ています。これが宿泊税です。名前は聞いたことがあっても、観光客だけの税金ではありません。出張でも、親の入院に付き添うための宿泊でも、法事で帰省してホテルに泊まっても、同じようにかかります。この記事では、いま全国のどこでいくら取られるのかを一覧にしたうえで、都道府県と市町村が二重にかける仕組み、そして個人事業主・経理担当者がつまずきやすい消費税の扱いまで整理します。

宿泊税とは——地方税法に載っていない「自治体オリジナルの税金」

宿泊税は、地方税法に税目が書かれている住民税や固定資産税とは成り立ちが違います。地方団体は、地方税法に定める税目以外に、条例で独自の税目を新設できます。これを法定外税といい、使い道を特定しないものを法定外普通税、特定するものを法定外目的税と呼びます。宿泊税は、導入しているすべての自治体が法定外目的税として設けています(参議院常任委員会調査室の調査資料による)。

新設には総務大臣の同意が要る

自治体が勝手に作れるわけではありません。関係者と調整して条例案を議会に出し、可決後に総務大臣と協議して同意を得る必要があります(地方税法259条・669条・731条)。総務大臣は地方財政審議会の意見を聴き、財務大臣に通知したうえで判断します。不同意にできるのは次の3つに当たるときだけで、それ以外は同意しなければならないと定められています。

  1. 国税または他の地方税と課税標準を同じくし、かつ住民の負担が著しく過重となること
  2. 地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること
  3. 1・2のほか、国の経済施策に照らして適当でないこと

最初に導入したのは東京都で、2002年(平成14年)10月1日の施行です。その後は長く広がらず、2例目の大阪府まで14年かかりました。流れが変わったのは訪日外国人旅行者の急増です。2024年の訪日外国人旅行者数は3,687万人と、コロナ前のピーク(2019年の3,188万人)を大きく上回りました。受入環境の整備やオーバーツーリズム対策の財源として、観光地を抱える自治体が相次いで導入に動いています。

参議院の調査資料によれば、2025年10月9日時点で全国42団体が総務大臣の同意を得ており、そのうち施行済みは14団体でした。つまり残りの28団体が2026年前後に一斉に走り出す、という状況だったわけです。日本経済新聞も、2026年に約30自治体が課税を始め、導入数が2025年末の17から約50へ増えると報じています。

払うのは宿泊者、納めるのは宿

宿泊税の納税義務者は宿泊した人です。ただし自分で申告するのではなく、ホテル・旅館・簡易宿所・民泊の事業者が特別徴収義務者として宿泊者から預かり、自治体へ納入します。チェックアウト時に「宿泊税200円」と別立てで請求されるのはこのためで、宿が儲けているわけではありません。民泊を運営している人は、自分が徴収する側に回る点に注意してください。

【2026年8月時点】全国の宿泊税一覧

すでに課税が始まっている自治体を、地域別にまとめます。金額はすべて1人1泊あたり、宿泊料金は原則として素泊まり料金(食事代や消費税を含まない金額)で判定します。

定額一律の金額 段階宿泊料金に応じて段階的に変わる 定率宿泊料金に率を掛ける

北海道(道と市町村の両方が課税する地域)

自治体方式税額(1人1泊)施行
北海道(道税)段階2万円未満100円/2万円以上5万円未満200円/5万円以上500円2026.4.1
札幌市段階5万円未満200円/5万円以上500円2026.4.1
函館市段階2万円未満100円/2万円以上5万円未満200円/5万円以上10万円未満500円/10万円以上2,000円2026.4.1
小樽市・旭川市・釧路市・帯広市・北見市・網走市・音更町定額200円2026.4.1
富良野市段階2万円未満200円/2万円以上5万円未満300円/5万円以上500円2026.4.1
留寿都村・占冠村段階2万円未満100円/2万円以上5万円未満200円/5万円以上500円2026.4.1
新得町段階5,000円未満50円/5,000円以上2万円未満100円/2万円以上5万円未満200円/5万円以上500円2026.4.1
ニセコ町段階2万円未満200円/2万円以上5万円未満500円/5万円以上10万円未満1,000円/10万円以上2,000円(当分の間、5,001円未満は100円)2024.11.1
倶知安町定率宿泊料金の3%(2026年3月までは2%。道税相当額を含む)2019.11.1
赤井川村段階8,000円以上2万円未満200円/2万円以上500円2025.11.1

東北・関東・北陸

自治体方式税額(1人1泊)施行
青森県弘前市定額200円2025.12.1
宮城県(県税)定額6,000円以上300円(仙台市内は100円)2026.1.13
宮城県仙台市定額6,000円以上200円2026.1.13
東京都段階1万円以上1万5,000円未満100円/1万5,000円以上200円(1万円未満は非課税)2002.10.1
神奈川県湯河原町段階5万円未満300円/5万円以上500円2026.4.1
石川県金沢市段階5,000円以上2万円未満200円/2万円以上500円2019.4.1

中部・近畿

自治体方式税額(1人1泊)施行
長野県軽井沢町段階6,000円以上1万円未満150円/1万円以上10万円未満200円/10万円以上650円(開始3年間は各100円・150円・600円)2026.6.1
長野県阿智村定額6,000円以上200円2026.6.1
長野県白馬村段階6,000円以上2万円未満150円/2万円以上5万円未満350円/5万円以上10万円未満850円/10万円以上1,850円(開始3年間は各100円・300円・800円・1,800円)2026.6.1
岐阜県岐阜市定額200円2026.4.1
岐阜県高山市段階1万円未満100円/1万円以上3万円未満200円/3万円以上300円2025.10.1
岐阜県下呂市段階5,000円未満100円/5,000円以上200円2025.10.1
静岡県熱海市定額200円2025.4.1
愛知県常滑市定額200円2025.1.6
三重県鳥羽市定額200円2026.4.1
京都府京都市段階6,000円未満200円/6,000円以上2万円未満400円/2万円以上5万円未満1,000円/5万円以上10万円未満4,000円/10万円以上1万円2018.10.1(2026.3.1に改定)
大阪府段階5,000円以上1万5,000円未満200円/1万5,000円以上2万円未満400円/2万円以上500円2017.1.1

中国・四国・九州・沖縄

自治体方式税額(1人1泊)施行
島根県松江市定額5,000円以上200円2025.12.1
広島県定額6,000円以上200円2026.4.1
福岡県(県税)定額200円(福岡市内・北九州市内は50円/新たに宿泊税を課す市町村内は100円)2020.4.1
福岡県福岡市段階2万円未満150円/2万円以上450円2020.4.1
福岡県北九州市定額150円2020.4.1
長崎県長崎市段階1万円未満100円/1万円以上2万円未満200円/2万円以上500円2023.4.1
熊本県熊本市定額200円2026.7.1
宮崎県宮崎市定額200円2026.7.1

これから始まる・変わる自治体

自治体内容開始
新設栃木県那須町1万円未満100円/1万円以上2万円未満300円/2万円以上3万円未満500円/3万円以上5万円未満800円/5万円以上10万円未満1,500円/10万円以上3,000円2026.10.1
新設岩手県盛岡市宿泊税を新設2026.10.1
新設沖縄県と5市町村(石垣市・宮古島市・本部町・北谷町・恩納村)県税は定率0.8%(上限800円)。市町村と重なる場合も合計で定率2%(上限2,000円)に収まるよう調整2027.2.1
改定東京都定額制を廃止し宿泊料金の3%へ。民泊・簡易宿所も課税対象に追加。非課税ラインは1万円未満から1万3,000円未満へ引き上げ2027.4.1
改定長崎県長崎市税率改定2027.4.1

※ 一覧は2026年8月時点で公表・報道されているものです。総務大臣の同意を得ながら施行日が未定の自治体、議会で条例を可決して協議中の自治体もあり、今後さらに増えます。

東京都の「3%定率制」で何が変わるか

2026年6月30日、総務大臣が東京都の宿泊税の変更に同意しました。2027年4月1日の宿泊分から、これまでの定額制(1万円以上1万5,000円未満で100円、1万5,000円以上で200円)が廃止され、宿泊料金の3%を一律に課す定率制へ移行します。都の見込みでは、税収は2026年度の約81億円から年間約190億円へと2倍以上になります。

1泊1万3,000円100円390円→ 約3.9倍
1泊2万円200円600円→ 3倍
1泊5万円200円1,500円→ 7.5倍
1泊10万円200円3,000円→ 15倍

定率制の性質上、高い宿ほど負担の伸びが大きくなります。一方で非課税のラインは1万円未満から1万3,000円未満へ上がるため、ビジネスホテル帯の一部は逆に課税されなくなります。ただしここ数年の都内の宿泊単価上昇を考えると、「以前は1万円未満で非課税だった宿が、いまは1万3,000円を超えている」というケースも珍しくありません。

民泊が課税対象に加わる

現行の東京都の宿泊税は旅館・ホテルの利用者だけが対象ですが、改正後は簡易宿所と民泊(住宅宿泊事業)も対象になります。都内で民泊を運営している人は、2027年4月以降、特別徴収義務者として宿泊税を預かって都に納入する事務が発生します。申告納入は毎月ではなく3か月に一度の特例申告に緩和され、特別徴収交付金の年100万円という上限も撤廃されます。運営側の税務全般は民泊と税金にまとめています。

県と市町村の「二重取り」に見える構造

宿泊税は都道府県も市町村も課税主体になれます。そのため、同じ1泊に県税と市町村税の両方がかかる地域が生まれます。2026年8月時点では北海道・宮城県・福岡県がこれに当たり、2027年2月からは沖縄県も加わります。ただし、調整の考え方は地域ごとに違います。

地域調整の考え方宿泊者の負担
北海道倶知安町を除き、道と市町村の間で税率の調整をしない道分+市町村分の単純合算
北海道倶知安町町が税率を2%→3%に引き上げ、3%から道税相当額を差し引いた額を町税とする。町が道税分もまとめて徴収し道へ納入合計で宿泊料金の3%
宮城県仙台市内では県税を300円→100円に引き下げ仙台市内は合計300円
福岡県福岡市内・北九州市内では県税を200円→50円に引き下げ県内はおおむね一律200円
沖縄県県は定率0.8%(上限800円)。市町村と重なっても合計で2%・上限2,000円に収まるよう設計合計で宿泊料金の2%
実際いくらになるか(2026年8月時点の税額で計算)
  • 札幌市に1泊2万円で泊まる:北海道200円+札幌市200円 = 400円
  • 函館市に1泊12万円の部屋:北海道500円+函館市2,000円 = 2,500円
  • ニセコ町に1泊6万円:北海道500円+ニセコ町1,000円 = 1,500円
  • 倶知安町に1泊3万円:合計で3% = 900円(うち道税相当額を町が道へ納入)
  • 福岡市に1泊2万円:福岡県50円+福岡市450円 = 500円
  • 仙台市に1泊8,000円:宮城県100円+仙台市200円 = 300円
  • 京都市に1泊10万円の宿:京都市1万円(宿泊料金の10%相当)

4人家族が2泊すれば、単純に人数×泊数倍になります。札幌の例なら400円×4人×2泊=3,200円です。

京都市の1万円は「著しく過重」ではないのか

京都市の改定にあたっては、2025年8月5日の地方財政審議会で「特に10万円以上の宿泊料金に対して1万円を課税することについて、現在京都市から提出を受けている資料だけでは、本税による負担が著しく過重とまではいえないと判断するには不十分」との指摘が出ました。市は財政需要の大きさを説明する追加資料を求められ、そのうえで2025年10月3日に総務大臣の同意に至っています。税率の上限が制度上どこにあるのかは明文化されておらず、総務省も「個々の事案に即して判断することになるので、一概に答弁することは困難」との立場です。

観光目的でなくても課税される——出張・通院・法事

ここが誤解の多いところです。宿泊税の課税客体は「宿泊施設に宿泊する行為」であって、その目的ではありません。したがって次のような宿泊にも、原則としてそのままかかります。

課税される(目的は問わない)

仕事の出張/取引先訪問/資格試験や採用面接/家族の入院に付き添うための宿泊/法事・葬儀での帰省/災害後の一時的な滞在(自治体が別途減免を設けている場合を除く)/単身赴任先への移動途中の宿泊。

多くの自治体で課税免除

修学旅行その他の学校行事による生徒・引率者の宿泊。教育活動という公益上の理由から、多くの自治体が条例で課税免除としています。ただし免除の範囲は自治体ごとに異なるため、対象になるかは各自治体の条例で確認が必要です。

「観光目的以外への配慮」は、免除ではなく非課税ライン(免税点)で行われてきました。東京都が導入時に1泊1万円未満を非課税としたのは、まさに修学旅行やビジネス利用にできるだけ負担を求めないためです。ところが宿泊単価が上がった現在、この設計は当初ほど機能していません。東京都が非課税ラインを1万3,000円未満へ引き上げるのは、この点への対応でもあります。

課税免除は自治体が自由に決められるわけではない

地方税法274条・684条・733条の13は、税負担の公平性の観点から、災害や貧困などで担税力を失った者、その他特別の事情がある者に限って法定外税の減免を認めています。「特別の事情がある者」は、公平の見地から見ても減免を相当とする程度の強い公益性がある場合に限られると解されています。実際、大阪府箕面市の開発事業等緑化負担税では、市内に本店がある事業者だけを減額する規定について、総務省が「地方税法の規定に抵触するおそれがあるほか、課税の公平性の確保という租税施策に照らし適当でない」と判断し、市が規定を削除した例があります。「地元住民は無料に」といった要望が通りにくいのはこのためです。

温泉宿では入湯税と重なる

温泉付きの宿に泊まると、宿泊税とは別に入湯税が請求されます。入湯税は地方税法701条に定めのある法定目的税で、鉱泉浴場のある市町村が入湯行為に対して課すもの。標準税率は1日1人150円(一泊二日は1日として扱うのが一般的)で、こちらも宿が特別徴収します。

課税客体が「鉱泉浴場における入湯行為」と「宿泊行為」で異なり、課税の趣旨も違うため、法的には二重課税ではないと解されています。とはいえ、宿泊者から見れば同じ1泊で2つの地方税を払うことに変わりありません。この点を踏まえ、福岡市は宿泊税を課す間の特例として、宿泊入湯客の入湯税を1人1泊150円から50円へ引き下げています

使い道も一部重なります。入湯税の使途には「観光施設の整備を含む観光の振興」が含まれており、宿泊税の使途とかぶるためです。三重県鳥羽市はこの点を明示的に整理し、宿泊税は観光客の受入環境整備に、入湯税は鉱泉源の保護や消防体制の整備、既存の観光振興事業に軸足を置く、という棲み分けの考え方を示しています。

温泉地に2人で1泊した場合(1泊2万5,000円・熱海市の例)
  • 宿泊税:200円 × 2人 = 400円
  • 入湯税:150円 × 2人 = 300円(税率は市町村の条例による)
  • 合計 700円 が宿泊料金とは別に請求されます

経費にするときの落とし穴——宿泊税は消費税がかからない

出張の宿泊費を経費に落とす人、経理を担当する人にとって、宿泊税でいちばん注意すべきはここです。

宿泊税は消費税の課税対象外(不課税)

宿泊料金は消費税の課税対象ですが、宿泊税は資産の譲渡等の対価ではないため、消費税の課税対象になりません。宿が宿泊者から預かって自治体に納入する性質のお金だからです。したがって、宿泊税の部分は仕入税額控除の対象になりません

領収書の状態処理
宿泊税が金額とともに別記されている宿泊税の部分は租税公課(不課税仕入)、残りを旅費交通費(課税仕入)として分けて計上する
宿泊税の記載がなく、合計額しか書かれていない支払総額を旅費交通費(課税仕入)として計上する取扱いが認められる

明細を見ずに合計額をまとめて課税仕入として処理すると、仕入税額控除を取りすぎることになります。1泊200円と聞くと小さく感じますが、出張の多い会社が年間何百泊も積み上げれば無視できません。本則課税で申告している事業者ほど影響が出ます。インボイス制度のもとでは適格請求書に税率ごとの区分が記載されるので、宿泊税がどう表示されているかを一度確認しておくと安心です。

個人事業主の場合

出張で泊まった宿の宿泊税は、事業に関連する宿泊であれば必要経費になります。勘定科目は旅費交通費でも租税公課でも構いませんが、消費税の申告をしている人は上記のとおり課税区分を分けてください。免税事業者や簡易課税を選んでいる人は、仕入側の区分が納税額に影響しないため、実務上は旅費交通費でまとめて問題ありません。経費の線引き全般は個人事業主の経費になるかグレーなもの10選もあわせてどうぞ。

宿泊税は全国一律の税になるのか

導入する自治体が増えるほど、「いっそ地方税法に載せて全国一律にすればいい」という議論が出てきます。実際、経済同友会は2024年3月の提言で、地方税法上の法定目的税として宿泊税を新たに導入すべきだとしています。自治総合センターも、特定の地域だけで導入すると宿泊者が周辺地域へ流れる懸念があるため、全国一律の制度として仕組むことが必要ではないかと指摘しています。

これに対し総務省は、全国の関係者や国民の理解を十分に得られるか、すでに法定外目的税として導入している自治体の理解を得られるかといった課題を挙げたうえで、「個々の団体のニーズに合わせて課税が行われており、現時点において制度を統一する強い必要性があるわけではなく、現時点で直ちに法定税化することは考えていない」との見解を示しています。

歴史的な経緯もあります。平成12年3月末までは、宿泊や飲食に対して道府県税の特別地方消費税(税率3%、1泊1万5,000円以下は非課税)が課されていました。平成9年度に地方消費税が導入されたことで道府県税として二重課税になるため、平成9年度税制改正で廃止された税です。宿泊への課税は、いったん整理して地方消費税に統合した歴史があるわけで、法定税化の議論はこの経緯を踏まえる必要があります。

目的税である以上、使い道の説明も論点です。総務省は「現行の地方税法上、法定外税について使途の公表を義務付けていない。そのため、公表の状況を網羅的には把握していない」としており、使途の公表方法は自治体任せです。各年度の決算ごとに事業別の充当額を数字で示す自治体もあれば、実現した事業を紹介するだけの自治体もあります。払った側としては、自分が泊まった街が何に使ったのかを一度見てみるのが、いちばん現実的なチェックになります。

今日やること

  1. 次の旅行・出張の予約先に宿泊税がかかるか確認する。この記事の一覧で自治体名を探し、該当したら「自治体名+宿泊税」で公式ページを開いて税額と非課税ラインを確かめる。人数×泊数分だけ現地払いが増えます。
  2. 直近の宿泊領収書を1枚開いて、宿泊税が別記されているか見る。別記されていれば、その部分は消費税の課税仕入ではありません。消費税を本則課税で申告している人は、経理の区分を今の申告分から直してください。
  3. 民泊・簡易宿所を運営している人は、自分の自治体の施行日を確認する。東京都は2027年4月1日から民泊も課税対象です。徴収と納入の事務が発生するので、予約システム側の対応時期も併せて確認しておきます。

ほかのアクションは手取りアップ・アクションリストへ。

よくある質問

Q. 宿泊税は誰が払うのですか。宿が負担しているのですか。

A. 納税義務者は宿泊した人です。ホテル・旅館・簡易宿所・民泊の事業者は特別徴収義務者として、宿泊者から宿泊税を預かって自治体に納入する立場です。宿の利益にはならず、逆に徴収と申告の事務負担が発生します。チェックアウト時に別立てで請求されるのはこのためです。

Q. 出張や通院の宿泊でもかかりますか。

A. かかります。宿泊税の課税客体は宿泊施設に宿泊する行為であって、宿泊の目的は問いません。出張、試験の受験、家族の入院への付き添い、法事での帰省でも同じように課税されます。多くの自治体が課税免除としているのは修学旅行など学校行事による宿泊で、免除の範囲は自治体ごとに条例で異なります。

Q. 県と市の両方から取られるのは二重課税ではないのですか。

A. 都道府県と市町村はどちらも課税主体になれるため、制度上は二重課税ではありません。ただし負担が重くならないよう調整している地域があります。福岡県は福岡市内・北九州市内で県税を200円から50円に、宮城県は仙台市内で300円から100円に下げています。北海道は倶知安町を除き調整がないため、道分と市町村分の単純合算になります。沖縄県は県と市町村を合わせて宿泊料金の2%・上限2,000円に収まるよう設計されています。

Q. 宿泊税に消費税はかかりますか。経費処理はどうすればいいですか。

A. 宿泊税は資産の譲渡等の対価ではないため、消費税の課税対象外(不課税)です。仕入税額控除の対象にもなりません。領収書に宿泊税が別記されている場合は、その部分を租税公課(不課税仕入)、残りを旅費交通費(課税仕入)として分けます。宿泊税の記載がなく合計額しかない場合は、支払総額を課税仕入として処理する取扱いが認められています。

Q. 温泉宿では入湯税も取られますが、どう違うのですか。

A. 入湯税は地方税法701条に定めのある法定目的税で、鉱泉浴場のある市町村が入湯行為に対して課します。標準税率は1日1人150円です。宿泊税は法定外目的税で、課税客体は宿泊行為です。課税客体も趣旨も異なるため二重課税ではないと解されていますが、温泉宿では両方かかります。福岡市は宿泊税を課す間の特例として、宿泊入湯客の入湯税を150円から50円に引き下げています。

Q. 東京都の宿泊税は結局いくらになりますか。

A. 2027年4月1日の宿泊分から、宿泊料金の3%の定率制になります。非課税のラインは1人1泊1万円未満から1万3,000円未満へ引き上げられ、民泊と簡易宿所も課税対象に加わります。1泊2万円なら600円(現行200円)、1泊5万円なら1,500円(現行200円)です。都の税収見込みは2026年度の約81億円から年間約190億円へ増える見通しです。

参考リンク(出典)

税額・施行日・制度の仕組みは、参議院常任委員会調査室の調査資料および総務省・各自治体の公表資料で確認しています。宿泊税は条例で定められ改定も頻繁なため、実際に泊まる前・経理処理の前には必ず各自治体の公式ページで最新の内容をご確認ください。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。宿泊税は自治体の条例で定められ、税額・非課税ライン・課税免除の範囲は改定されることがあります。個別の経理処理や申告の判断は、税務署または税理士にご相談ください。

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公開日:2026年08月16日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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本記事は税制・各種制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。記載内容は公開時点の情報に基づき正確性に努めていますが、制度は改正される場合があります。実際のお手続き・個別のご判断は、国税庁・お住まいの税務署・税理士等の専門家にご確認ください。運営者情報・免責事項