年金の繰上げ・繰下げシミュレーター|額面ではなく「手取り」で損益分岐を出す

年金は60歳から75歳まで受給開始を選べます。繰上げは月0.4%減、繰下げは月0.7%増。ただし公的な試算ツールは額面しか出しません。増えた年金には所得税・住民税・社会保険料がかかるため、手取りで見ると損益分岐は数年後ろにずれます。両方を並べて確認してください。

入力値は端末の中だけで計算され、送信されません。金額は概算です。

なぜ額面の損益分岐では足りないのか

「70歳まで繰り下げると81歳11か月で追いつく」という数字はよく見かけます。これは額面での計算です。実際に手元に残るお金で考えると話が変わります。

繰下げで年金が84%増えると、増えた分にそのまま所得税・住民税・介護保険料・後期高齢者医療保険料がかかります。公的年金等控除を超えた部分は課税所得になり、社会保険料も所得に連動して上がります。結果として、手取りベースの損益分岐は額面より2〜3年後ろにずれるのが通例です。

ここが判断の分かれ目です。「81歳まで生きれば得」と思って繰り下げたのに、手取りで見ると実は84歳だった、ということが起こります。上のシミュレーターは両方を並べて表示するので、差を確認してから決めてください。

繰下げ前に確認したい2つの落とし穴

  1. 加給年金が止まる:年下の配偶者がいる人は、厚生年金の繰下げ待機中に年約40万円の加給年金を受け取れません。基礎年金だけを繰り下げるのが定石です。
  2. 繰上げは取り消せない:一度繰り上げると生涯その額で固定され、障害年金の受給資格も失います。

よくある質問

繰上げと繰下げの増減率は何%ですか。

昭和37年4月2日以後生まれの場合、繰上げは1か月あたり0.4%の減額(60歳開始で24%減)、繰下げは1か月あたり0.7%の増額(75歳開始で84%増)です。

額面の損益分岐は何歳ですか。

65歳開始と比べて、70歳繰下げなら81歳11か月、75歳繰下げなら86歳11か月で追いつきます。60歳繰上げの場合は80歳10か月より長生きすると損になります。

手取りだとどれくらいずれますか。

増えた年金に税と社会保険料がかかるため、通常2〜3年後ろにずれます。年金以外の所得がある人ほどずれ幅は大きくなります。上のシミュレーターで自分の条件を入れて確認してください。

繰下げ中に加給年金はもらえますか。

もらえません。厚生年金を繰り下げている間は加給年金(年約40万円)が支給されないため、年下の配偶者がいる場合は基礎年金だけを繰り下げるのが一般的です。

繰上げは後から取り消せますか。

取り消せません。減額された年金額が生涯続き、障害年金を受けられる道も閉ざされます。健康状態と家計を踏まえて慎重に判断してください。

参考リンク

本記事は一般的な情報提供です。具体的な見込額は年金事務所にご確認ください。